ダブルドリブルは、いったん終えたドリブルを、規則上認められない形でもう一度始めてしまうバイオレーション(規則違反)です。初心者が練習中に戸惑いやすいのは、「いつドリブルが終わったのか」「一度ボールを持ったら、もう二度とドリブルできないのか」という点でしょう。
ダブルドリブルは通常、相手にボールの所有権が移り、相手チームのスローインで試合を再開することにつながります。接触を伴うファウルとは区別されます。まずは実際のプレー例から整理します。
ダブルドリブルの基本ルール
ドリブルは、選手がコート上のボールを弾ませて移動するプレーです。通常、ドリブルをやめて両手でボールを持ったり、ボールが片手または両手の中で静止したりすると、そのドリブルは終了します。そのままもう一度ボールを床に弾ませてドリブルを再開すると、原則としてダブルドリブルです。
NBA公式競技規則の Rule No.10 にも、選手が自発的に最初のドリブルを終えた後、二度目のドリブルを始めてはならないと明記されています。ただし例外があるため、「一度ボールを持ったら二度とドリブルできない」という覚え方は正確ではありません。
どんなときにダブルドリブルになる?
| 場面 | 基本的な判断 |
|---|---|
| ドリブル→両手でボールを持つ→再びドリブル | 原則ダブルドリブル |
| ドリブル→片手でボールを持ち静止→再びドリブル | 原則ダブルドリブル |
| ドリブル中、片手でボールを連続して床に弾ませる | 通常は合法的なドリブル |
| ボールを一度確保して味方へパスする | ダブルドリブルではない |
| 一度ドリブルをやめ、相手がボールに触れたあと再び確保してドリブル | 条件を満たせば再びドリブルできる |
| シュートの試みでボールのコントロールを失い、その後に再び確保する | シュートの条件によって再開が認められる場合がある |
同じように見える動作でも、相手の接触、ボールの一時的な取りこぼし(ファンブル)、シュートを試みたかどうかなどで扱いが変わります。すべてのボールの持ち直しが自動的に違反になるわけではありません。
ドリブルが「終わった」と判断される瞬間
両手でボールに触れて保持する
ドリブル中のボールを両手で押さえて確保したときは、通常そのドリブルが終了します。パスやシュートを選ぶことはできますが、例外に当たらないまま同じ選手が新しくドリブルを開始すると違反になります。
片手でも、ボールが手の中で静止する
両手で持っていなくても、ボールが片手の上で静止するような持ち方になれば、ドリブルが終了したと判断される場合があります。手のひらをボールの下へ入れて運んだり、持ち上げたあとに再びドリブルしたりする行為は、キャリング(パーミング)と呼ばれる不正なドリブルとして扱われることがあります。
「一瞬両手を使ったか」だけでなく、ボールが実際に静止したか、手の下に持ち上げて運んでいないかに注目するのがポイントです。
例外:もう一度ドリブルできる場合もある
FIBAやNBAの競技規則では、最初のドリブルが終わった後でも、一定の事情で再びドリブルできる場面が定められています。代表的なのは、相手がボールに触れたとき、シュートを試みてボールのコントロールが変わったとき、ほかの選手がボールに触れたパスやファンブルの後などです。
ただし、NBAはシュートの試みに関する例外の条件として、ボールがバックボードまたはリングに触れることなどを定めています。FIBAとの細かな違いがあるため、すべての試合で同じ条件だと決めつけないでください。
相手選手がボールをはたいた場合
いったんドリブルを終えたあと、相手がボールに触れたためにコントロールを失い、再びボールを確保する場面があります。このようなプレーでは、規則上、次のドリブルが可能になる場合があります。選手が自分で故意にボールを落として拾い直しただけの場合とは区別しましょう。
ファンブル(取りこぼし)の場合
ボールを確保しようとしてうっかり取りこぼすファンブルは、意図的にドリブルを再開する動作とは区別されます。ボールがどの選手に触れたか、最初のドリブルがすでに終了していたかなどを確認する必要があります。「落としたら必ずダブルドリブル」という判断は正しくありません。
ダブルドリブルとトラベリングの違い
この2つは、どちらもバイオレーションですが、見るべきポイントが違います。ダブルドリブルは主にドリブルの終了と再開、トラベリングは主にボールを保持している間の足の動きです。
| 違反の種類 | チェックする場所 | 典型例 |
|---|---|---|
| ダブルドリブル | ボールと手の扱い | 両手で保持したあと、再び床へ弾ませる |
| トラベリング | 足の接地・ピボット | ボールを確保したあと許された範囲以上に足を動かす |
ドリブルを止めた直後、パスを受ける味方が見つからずに慌てて動こうとすると、ダブルドリブルとトラベリングのどちらも起こりやすくなります。トラベリングとゼロステップの解説もあわせて確認してください。
初心者が違反を防ぐための3つの習慣
① ドリブルを止める前に周囲を見る。 ボールを持ち直すと、基本的には同じドリブルを再開できません。パス先やシュートの選択肢を考えてからドリブルを終える習慣をつけると、行き場を失いにくくなります。
② 片手の上にボールを乗せすぎない。 ボールを下から支える持ち方は、キャリングの原因になる場合があります。特に急に方向転換する練習では、手の向きとボールの動きを確認しましょう。
③ 止まったらピボットを使う。 ボールを確保した後も、軸足を守りながら方向転換し、パスやシュートの選択肢を探せます。ドリブルでしか相手をかわそうとしないことが、違反を減らすコツです。
よくある質問
ドリブルを止めた後、両手で持たずに片手で持っても反則?
ボールが片手の中で静止したり、持ち上げられたりすれば、ドリブルは終了したと判断される場合があります。両手で持ったかどうかだけで判断するものではありません。
相手にボールをはたかれたらもう一度ドリブルできますか?
相手がボールに触れたことによってコントロールを失った場合など、再びドリブルできる例外があります。プレーの状況と大会で適用する規則を確認する必要があります。
両手でドリブルすると、ダブルドリブルですか?
両手で同時にボールを押してドリブルを続けるのは、正当な通常のドリブルには当たりません。一般に不正なドリブルとして扱われます。
ダブルドリブルをしたらフリースローですか?
通常はフリースローではなく、相手チームにボールが与えられ、スローインで再開します。ファウルによるフリースローとは別の扱いです。
公式資料と更新情報
JBAの競技規則・公式解説、FIBA Official Basketball Rules 2026、NBA公式 Rule No.10(Dribble)を参照しました。
FIBA 2026年版は2026年10月1日から施行されていますが、日本のJBA「2026バスケットボール競技規則」はFIBA 2024年版に準拠しています。試合で使用する規則は大会ごとに確認してください。情報確認日:2026年10月11日。




